期間工の契約満了が近づくと、「有期契約の自分でも失業保険をもらえるのか」「再就職手当って何か」が気になります。結論から言うと、期間工も雇用保険に加入しており、条件を満たせば満了後に失業給付を、早く再就職すれば再就職手当を受け取れます。まず、満了後にもらえる給付の早見表を示します。
| 給付 | もらえる条件の要点 |
|---|---|
| 失業給付(基本手当) | 雇用保険に加入し、必要な被保険者期間があり、働く意思があって求職活動をする。契約満了(更新希望あり不更新)なら給付制限なしになりうる |
| 再就職手当 | 受給資格決定後、支給残日数が3分の1以上残り、1年超の勤務が確実な安定した仕事に就くなど、全要件を満たしたとき |
失業給付は「次の仕事を探す間の生活を支える給付」、再就職手当は「早く再就職を決めた人が受け取れる手当」です。この記事は、この2つの給付を期間工の目線で整理し、契約満了と自己都合で変わる給付制限、手続きの流れまで解説します。なお、制度の具体的な金額・日数・要件は改定されることがあるため、必ずハローワーク(公共職業安定所)で最新を確認してください(2026年7月時点)。
この記事でわかること:
- 満了後にもらえる給付の早見表(雇用保険の加入・失業給付・再就職手当)
- 契約満了と自己都合で変わる、失業給付の給付制限の違い
- 再就職手当の条件と給付率、満了後の手続きの流れ
期間工も雇用保険に入っている
まず大前提として、期間工も雇用保険に加入しています。有期契約だからといって、雇用保険の対象外ということはありません。雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある人が原則として加入する制度で、フルタイムで働く期間工はこの条件を満たします。
雇用保険に入っていると、離職したときに次のような給付を受けられる可能性があります。
- 失業給付(基本手当):次の仕事を探す間の生活を支える給付
- 再就職手当:受給資格決定後、基本手当の支給残日数を一定以上残して安定した職業に就くなどの要件を満たしたときの手当。基本手当を実際に受け取った後であることは要件ではありません
失業給付(基本手当)を受けるには、原則として離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あることが必要です。ただし、倒産・解雇や、契約満了で更新を希望したのに更新されなかった場合など(特定受給資格者・特定理由離職者)は、離職前1年間に被保険者期間6か月以上で受給資格が認められることがあります。自分がどれに当たるかは、離職理由によって変わるため、ハローワークで確認してください。給与から雇用保険料が引かれているかは、給与明細で確認できます。
契約満了で辞めると失業給付はどうなる
期間工で特に大事なのが、離職理由によって「給付制限」の扱いが変わる点です。給付制限とは、失業給付をすぐに受け取れず、一定期間待たされることです。
- 契約期間が満了し、更新を希望したのに更新されなかった場合:給付制限がかからず、7日間の待期期間のあと比較的早く受給できることがあります(特定理由離職者などの扱い)
- 自分の都合で契約途中に辞めた場合(自己都合):原則として給付制限期間が設けられます。給付制限期間は制度改定で変わっており、2026年7月時点ではおおむね1か月とされていますが、詳細は必ずハローワークで確認してください
- 本人の重大な理由による解雇など:さらに扱いが異なる場合があります
つまり、同じ「期間工を辞める」でも、契約満了(更新を希望したが不更新)か、自己都合の途中退職かで、失業給付を受け取れる時期が変わります。ここは自己判断せず、離職票の離職理由の記載も含めてハローワークで確認するのが確実です。契約を途中で辞めたいときの手順は期間工を途中退職したい時の手順の記事、更新と満了の判断は期間工の契約更新と満了の記事にまとめています。
再就職手当とは|条件と給付率
再就職手当は、基本手当の受給資格決定を受けた人が、支給日数を一定以上残して早く安定した仕事に就き、すべての要件を満たしたときに受け取れる就職促進給付です。基本手当が実際に振り込まれ始めていることは要件ではありません。制度の全体像と最新要件は、厚生労働省の基本手当・再就職手当Q&Aで確認できます。
主な支給条件は次のとおりです(2026年7月時点、詳細はハローワークで確認)。
- 受給手続き後、7日間の待期期間が満了したあとに就職・事業開始したこと
- 就職日の前日までの失業認定を受け、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 給付制限がある人が待期満了後1か月以内に就職する場合、ハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であること。直接応募やオンライン自主応募ではこの要件を満たしません
- 1年を超えて勤務することが確実であること(1年以内で終わる見込みの仕事は対象外)
- 離職前の事業主に再び雇われたのでないこと(密接な関係のある事業主も含む)
- 過去3年以内の就職で、再就職手当などの支給を受けていないこと
- 求職の申し込み前から採用が内定していた事業主への就職でないこと
- 原則として雇用保険の被保険者になること
特に3は見落としやすい条件です。ハローワークインターネットサービスのQ&Aも、給付制限を受けた人の待期満了後1か月は、直接応募では再就職手当の対象にならないと案内しています。
給付率は、残っている給付日数で変わります。
- 支給残日数が3分の2以上:残日数 × 基本手当日額 × 70%
- 支給残日数が3分の1以上3分の2未満:残日数 × 基本手当日額 × 60%
支給残日数が3分の2以上か、3分の1以上3分の2未満かで給付率が変わります。ただし、早い再就職が金銭的に必ず有利とは一律に言えません。仕事内容、賃金、雇用期間を優先して判断し、再就職手当は支給要件を満たすかハローワークで確認してください。
再就職手当をもらえる期間工・もらえない期間工
同じ期間工でも、再就職手当をもらえる人ともらえない人がいます。前の条件を、期間工の状況に当てはめて整理します。
もらえる可能性が高い人
- 契約満了などで基本手当の受給資格決定を受け、待期期間を満了した
- 給付日数がまだ3分の1以上残っているうちに、次の安定した仕事を決めた
- 次の仕事が1年を超えて続く見込みで、雇用保険に加入する
もらえない・注意が必要な人
- 次の仕事が1年以内で終わる短期契約(1年超の見込みが必要なため)
- 前と同じ会社(または密接な関係のある会社)に戻る場合
- そもそも失業給付の受給資格を満たしていない(被保険者期間が足りない)
期間工の場合、次にまた短期の有期契約に就くと、「1年超の勤務が確実」という条件を満たしにくい点に注意が必要です。また、給付制限がある人が待期満了後1か月以内に直接応募で就職すると、紹介要件を満たさない場合があります。次が期間工や短期派遣のときは、応募前にハローワークで確認してください。雇用形態による違いは期間工は契約社員かを解説した記事も参考にしてください。
満了後の手続きの流れ
満了後の手続きは、順番を知っておけば難しくありません。大まかな流れを示します。
- 離職票を受け取る:退職後、会社から離職票が交付されます。届かない場合は会社に問い合わせます
- ハローワークで求職の申し込み:住所地を管轄するハローワークで、求職の申し込みと受給資格の決定を受けます。離職票・本人確認書類・マイナンバー確認書類などが必要です
- 待期期間(7日):受給資格決定後、7日間は失業の状態を確認する待期期間です
- 雇用保険説明会・失業認定:指定された日に説明会に出席し、以後は決められた日に失業の認定を受けながら求職活動をします
- 基本手当の受給:認定を受けた分の基本手当が振り込まれます
- 早く再就職が決まったら再就職手当を申請:採用証明などの書類を添えて、期限内にハローワークへ申請します
この順番は基本手当を受け続ける場合も含む全体像です。再就職手当については、基本手当の初回振込を待つ必要はありません。就職が決まった時点で、就職日の申告と申請方法をハローワークへ確認してください。
必要書類や日程はハローワークの案内に従ってください。満了金の受け取り時期は失業給付とは別なので、混同しないようにしましょう。満了金がいつもらえるかは期間工の満了金はいつもらえるかの記事、満了金のしくみは期間工の満了金のしくみの記事で解説しています。